資産取り崩しに潜む危険な落とし穴?

投資

資産を取り崩して生活する場合、どうやら税金も考慮する必要があるみたいです。
基本的に非課税な新NISAには、あまり関係ない話かもしれませんが(いつ政府が「新NISAに課税します」とか言いかねないので)念のため、確認しましょう。

【出口戦略】インテ゛ックス投資!誰も教えない出口戦略の落とし穴!その計画、FIRE失敗します!

本日は誰も知らないインデックス投資出口戦略の落とし穴、そのFIRE計画、失敗しますよってテーマです。
今日はタイトルの通り、インデックス投資で資産を積み上げて4%ルールで毎年取り崩してFIREしようと目指す方向けに、FIRE失敗に繋がるかもしれない、忘れちゃいけない超大切なことを話します。

今回で回答するご質問

FIRE後、取り崩す際、インデックスは取り崩し始めは税率が低いと思いますが、その後元本比率がどんどん下がり、税率が上がっていく認識です
(取り崩す際は元本と利益を取り崩すが、その後、価格が上がる際は元本は増えず、利益だけが増えるため)
結果として途中から税率は20%を超え、トータル税額は高配当投資と変わらない認識でしたが合ってますか?
あくまで「常に価格が上がる」前提ですが。

要するに「インデックス投資有利」って言ってるけど、これ手離しに喜べないんじゃないの?って指摘です。
これ非常に重要なポイントです。
前半部分は正に認識した通りで、後半はそうとも限らないです。

前回動画の復習 (インデックスvs高配当)

まず簡単に前回の動画を復習します。
前回はインデックス投資が高配当投資に比べてFIREの税金の観点で有利って話をしました。

最初首都高配当株投資のFIRE後の税金の掛かり方ですが元本100万円に対して、1年間運用して含み益が10万円積み上がった時、ここから配当10万円を貰う場合、この10万円は全部「利益見合い」で、含み益から優先して取り崩されるルールなので、全部に対して税金が掛かります。
10万円に対して、配当の場合は米国株だと税率28%なので2万8千円も掛かるって話をしました。

税金=課税所得×税率=10万円×28%=28000円

一方、インデックス投資の場合は同じように元本100万円、1年間放置して含み益が10万円に上がった時、10万円分売却、取り崩した時に税金はどう掛かるかと言うと、この取り崩しは「含み益」と「元本」からそれぞれ取り崩されたと考えるルールです。
どんな割合で取り崩されたかと言うと。資産の含み益率はこの場合、総資産110万円に対して含み益が10万円なので含み益率9%なので、取り崩し10万円のうち9%に当たる「含み益見合い」の9000円に対してだけ税金が掛かります。
実際負担する税金は9000円に税率(売却益の場合、アメリカで税金が取られないので20%)なので、10万円取り崩しても1800円しか税金が掛かりません。

税金=課税所得×税率=0.9万円×20%=1800円

さっきは2万8000だったので、インデックス投資が有利だって話をしました。
今日の動画は、この取り崩し運用を繰り返すとどうなるか、翌年の期初の資産の内訳から2年目以降に注目します。
実はインデックス投資は超低税率だって話をしましたが、この素晴らしい状況は二年目以降、少しずつ崩れていきます。

シミュレーションの前提条件

FIRE時の資産 1億円(インデックス投資10年でFIRE資産を形成)
FIRE後の取り崩し 400万円(定額4%ルール)
インフレ率 0%(シンプルに分かりやすく、毎年400万円取り崩し)
投資講座 特定口座(NISAやiDecoでは収まらず)
利回り 4%
キャッシュフロー発生時期 期初主義(入金も出勤も毎年1/1に一括で発生)

前回は一年目だけでしたが、今回はFIREして2年、3年後を見ていきます。
まずFIRR時の資産は1億円、インデックス投資を10年くらいやって資産を形成して、
FIRE後の取り崩しは定額4%ルールに基づいて毎年400万円取り崩します。
インフレ率はシンプルに分かりやすく0%、1年目2年目3年目も100万円取り崩します。
投資口座はNISAやiDecoも使ってると思いますが、1億円貯めようと思うと収まらず、どうしても特定口座の割合が大きくなるので、簡単に全部特定口座で、課税される前提でやります。
投資の利回りは4%、最後の前提、キャッシュフロー発生時期は期初主義、毎年の入金や出金は出勤が毎年1月1日に一括で発生するシンプルな前提にしてます。
これらの前提のもとインデックス投資でFIRE後の税金コストシミュレーションします。

シミュレーション(税金コストは年々上昇)

早速シミュレーションの結果です。
こんな感じで積み立て期、FIRE1年目、2年目、3年目以降って順番で見ます。

積み立て期

まずはFIRE前、積み立て期編です。
縦軸が資産残高で、横軸が年数、資産残高の推移を表したグラフ、青が元本見合い、オレンジが含み益見合いです。
今回はFIREを始めた年を1年目にしたかったので、FIRE直前が0年目、スタートを-10年目として10年間で1億円を貯める感じです。
1億円を10年間で貯めようと思うと毎年830万円を入金して4%運用する感じです。
1億400万円の元本と含み益に分解して内訳を見ると、元本が830万円、毎年10年間なので、8300万円元本がある状態、残り差額の2100万円が含み益見合いです。
含み益率って観点だと1億4000万円対して2100万の含み益なので大体20%です。

FIRE1年目

続いてFIRE1年目、1年目の1月1日に1年間分の生活費の400万円を総資産から取り崩します。
400万円に対して税金が掛かるわけじゃなく、含み益率が20%なので、取り崩した400万のうち、含み益見合いの80万円に税金が掛かって、初年度の税金は80万円の20%、16万円、400万円に対する実効税率はたった4%で済んでます。
高配当投資だったら28%だったので、税金を払っても手元に384万が残るので、生活費がそれ以下なら1年間、労働収入が一切なくても暮らせるのがFIRE生活です。

FIRE2年目

いよいよここから今日の本題、FIRE2年目、ちょっと雲行きが怪しくなってきます。
2年目の取り崩しを考えるため、FIRE1年目の1月1日から1年目の12月31までの資産の推移を追っていきます。
まず1月1日、FIREした日に資産が1億400万円あって、その日に400万円を取り崩したので、資産は400万円減って1億円になってます。
8300万円あった元本が8000万円、2100万円あった含み益は2000万円、合計1億円です。
1年間は放置して4%運用すると400万円増えて1年目の末、12月31日夜はまた1億400万に戻ります。
この時の内訳は、元本はこの1年間、何も入金も出金もしてないので8000万のまま、含み益だけが2000万円から2400万円に増えて含み益率は23%、1年目の期初は20%でしたが、1年経って23%に上がってます。
でこれを踏まえて2年目の取り崩しを見ていきます。
2年目の1月1日になり、元本8000万円、含み益2400万円の合計1億400万。
また今年も400万円売却した時、内訳は含み益率23%、つまり92万円が含み益見合いからの引き出し、残りの308万円が元本見合いからの引き出しで、2年目に掛かる税金が92万円に対しての20%で18万円、実効税率5%です。
去年、1年目は税金16万円で税率4%なので、税金が16万円から18万円に上がってるし、税率も4%から5%に上がっちゃってます。
手取りも去年は384万円あったのが。今年は382万円、2万円だけ減っちゃってます。
まだ2万なら生活が破綻するほどでもないですが、ちょっと雲行き怪しくなってきましたね。

FIRE3年目以降

FIRE3年目以降、これを繰り返したらとどうなるかの答えです。
左側が税金のグラフ、右側が手取りのグラフで、どっちも縦軸が金額で横軸に年数、FIREしてからの年数です。
まず税金の方を見ると先ほど見たとおり、FIREして1年目、2年目は掛かる税金も16万円、18万円、取り崩し額400万円に対しての割合も4%、5%、手取りも380万円くらいありましたが、3年目、4年目と続けると税金がどんどん上がってきて、手取りもどんどん減っていきます。
FIREして50年後、税金が70万円まで掛かってしまい、取り崩し額400万円そのものに税率20%が掛かってるようなもので、実効税率も18%くらいになってます。
手取りは元々380万円くらいでしたが、50年も経つと330万円くらいになって、手取りが50万くらい減っちゃいます。
50万円減るの、結構痛くないですか?
何でこんなに税金が毎年毎年増えるかと言うと年々、資産の内訳を見た時に「含み益見合い」の割合がどんどん大きくなってるからです。
資産残高の構成のグラフで、縦軸が金額、横軸に年数です。
10年間積み立てて1億400万円になった後、そこから毎年4%で運用しつつ400万円取り崩すと資産は一定だけど、内訳の含み益見合いがどんどん大きくなって、50年後にはほとんどが含み益見合いです。
最初は含み益率20%でしたが、最後の方は90%近いので、400万円取り崩した時、そのほとんどに税金が掛かって、税コストがどんどん上がってるわけです。

シミュレーション結果の理由解説

ここから後半です。
シミュレーションを見ると「何でこんなに含み益率が上がってくるの?」って気になると思うので解説しますが、これを考えるには資産がどんな要素で変動するのか元本見合いで変動する要素、含み益見合いで変動する要素に分けて考えます。
まず簡単な方、元本見合いでの変動は超シンプルで、元本が増えるのは「入金」逆に元本が減って資産が減るのは「出金」です。
一方、含み益が増えて資産が増えてるのは「運用」してるからです。
利回り4%前提で、出金をしたら含み益見合い分、含み益が減ります。
FIRE前は資産を積み立ててる時は基本、元本をどんどん入れて入金してるし、その間「運用」もして、ダブルパンチで資産がどんどん増えていきます。
資産形成中、どんどん資産が増加すればするほどこの運用による含み益のペースがどんどん上がっていくので、多くの場合は含み益は資産形成期にどんどん上がっていきます。

一方、FIRE後はお金を取り崩す、出金するわけなので、出金する時は「元本見合い分」と「含み益見合い分」両方から出金します。
出金しつつも運用も継続するので、資産を増やす要素もあり、両方見合うようにすれば資産が一定でキープできるのがFIRE生活です。
FIRE後に元本が増える要素がなく、元本が減っていく一方、含み益は運用で増える要素と取り崩しで減る要素があるけど、資産を保とうと思うと含み益だけで見ると運用益の絶対大きくならないといけないので、元本はFIRE後にどんどん減って、含み益はどんどん増えていくわけです。

対策

最後、対策について話します。
含み益が上がって毎年税金が上がるのは分かったけど、じゃあどうしたら良いかと言うと「余裕を持ったFIRE計画を作ろう」ってことです。

余裕を持ったFIRE計画を作ろう
*含み益率は、皆さんの運用結果次第なので、一概にいくらとは言えない
ちなみに動画主の含み益率は12%

こればかりは良い節税制度がないです、税コストが上がってボディーブローを受け続けるしかないのでFIREする前、ボディーブローに耐えられるだけの盤石な身体を鍛えてからFIREしましょう。
もうちょっと具体的に言うと含み益率や取り崩しに掛かる税金はFIRE直後の時点を想定せず、少し余裕を持って想定しましょう。
と言うのも含み益率は皆さんの運用結果次第なので、FIREする時点で改めて保守的にやっていきましょう。

【出口戦略】インテ゛ックス投資!誰も教えない出口戦略の落とし穴!その計画、FIRE失敗します!雑感

新NISAの枠内で資産運用する前提だったので税金関係はあまり意識してなかったですが、取り崩しすればするほど税率がどんどん増えて、手取りが減るとは思いもしませんでした。
最初に言いましたが、いつ政府が「新NISAに課税します」とか言いかねない時代です。
(それこそ新NISAの意味がない、本末転倒な話ですが)予備知識として頭に入れた方が良いでしょう。

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