米国配当貴族は本当にs&p500より優れてるのか?

投資

S&P500が株価がなかなか回復しないので、良い銘柄がないかと日々悩んでます。
以前の記事でsp500より高い利回りが期待できる銘柄として「配当貴族インデックス」を取り上げました。
でも、果たして本当にS&P500より高いリターンが得られるものなのでしょうか?さすがに疑いたくなります。
配当貴族インデックスの性質を詳しく解説した動画を見つけたので、見てみましょう。

Tracers S&P500配当貴族を買わない唯一の理由

最近「配当貴族インデックス」って聞いたことないですか?
例えば「Tracers S&P500配当貴族ファンド」どう思いますかとか「何で配当貴族ファンドは買わないんですか」とか、最近なんてすごく聞かれるんですよ。
今すごく話題になってるみたいなので、ちょっと興味持ったので調べてみました。

10月28日のプレスリリースで日興アセットマネジメントから「Tracers S&P500配当貴族ファンド」って投資信託が発表されました、証券会社はSBIとマネックスと楽天証券で、10月28日から取り扱いを開始してる、いわゆる出来立てホヤホヤの新商品です。
すでにね買われてる方もいらっしゃるかと思います、この商品すごく話題になってるけど、売りとしてアピールされているのは何なのか、目論見書には「配当貴族インデックスは中長期的にS&P500を上回るパフォーマンスとなってます」と書かれてます。
円換算ベースの99年から最近の7月末までのパフォーマンスを比較したグラフを見ると驚くべき結果ですが、S&P500が400強に対して配当貴族インデックスだと1100程度に迫る勢いで差をつけてます。
言ってしまえば2倍から3倍ぐらいの差をつけてて上回る、圧倒する差をつけてます。
ただ、S&P500みたいなベンチマーク指数は常に、目論見書では圧倒される宿命で、どの商品見ても圧倒されてると思うので検証したいと思います。
もう1個セールスポイントが謳われてました、年間騰落率の推移を示したグラフで、配当貴族指数に対してS&P500の方がいっぱい下げてると、下値抵抗力って表現されてて下がろうとする所で抵抗力になる力があるってアピールされてますが、完全に下回ってる所もあるので、ちょっとセコいかなと思いました。
ただ、書面どおりに受け取ると「下落に強い」ってことはリスクを計算すると低くなるように受け取れます。
ここで言う「リスク」はファイナンス的な意味で「株価変動の標準偏差」って意味です。

具体的に商品の中身を見ましょう、一番人気の投信、eMAXIS Slimを並べてみました。

Tracers S&P500
配当貴族インデックス
eMAXIS Slim
S&P500
ベンチマークS&P500
Diviend Aristocrats
S&P500
信託報酬0.1155%0.0968%
為替ヘッジなしなし
売買手数料
(楽天証券)
無料無料
ウェイト均等加重時価総額加重平均
販売元日興アセットマネジメント三菱UFJ国際投信

違いと言えばベンチマーク指数ですが、配当貴族インデックスはベンチマークの正式名称はS&P500 Diviend Aristocrats って表現されてますが、このアリストクラッツが「貴族」とか「高貴」って意味らしいから配当貴族インデックスと言うみたいです。
信託報酬も結構安くて、eMAXIS Slimに対して0.02くらいしか変わらず、結構安い方です。
ウェイトのかけ方も均等加重と時価総額加重平均って違いがあります、信託報酬を抜きにすれば何に連動してるかってだけの違いで、この指数にどんな意味があるのかって所が一番大事だと思います。
目論見書にはこんな感じで書いてます。
「配当貴族指数の特徴はS&P500の構成銘柄のうち、長期に亘り連続増配を行ってる企業を抽出したもの」って書いてます、言ってしまえば連続増配をしてるやつだけ集めてきたって意味で、言い換えると少しアクティブな要素、いわゆる人間の意思が加わって連続増配してる=これからも成長しそうだって仮説の元で作られた手法だと解釈すれば良いと思いただ「長期に亘り連続増配」だけでは何やってるか分からないので、もうちょっと具体的な計算方法を見ます。
S&Pグローバルのホームページに「長期に渡り連続増配は少なくとも25年連続で配当総額を増やしてること、構成銘柄は均等に加入されます」って文言が書かれてて、どの株も同じ割合で買ってますって意味です。
この「配当貴族指数」は25年増配してきたから、これからも優秀銘柄だって考え方をしてるのが一番大事なポイントです。

配当貴族指数に連動するETFのNOBLと、S&P500に連続するETFのSPYの構成銘柄を見ましょう。
SPYから見てみるとアップル、マイクロソフト、アマゾン、テスラ、いつもどおりのメンバーが並んでて、いわゆるアメリカの時価総額が多い順に、多くの比率を掛けてるのが分かります。
一方の配当貴族指数の方を見てみると、均等加重なので大体60社ぐらいに、1.7%ぐらいで均等に分配してるのが分かります。
企業の名前を見てみるとシェブロン、エクソモービル、キャタピラ等、若く勢いがある企業と言うよりベテラン重視って感じです。
大きな違いは均等荷重か時価総額加重平均かの所で、SPYを見てみるとアップルやマイクロソフトにかなり比重が偏ってます。

続いてセクターの比重も見ましょう、S&P500は構成銘柄を見ても分かるようにインフォメーションテクノロジー、いわゆるハイテクが多め、次にヘルスケアや金融と続きます。
一方、配当貴族指数を見てみると1位が生活必需品、次に資本財・材料と、本当長らく人間にとって必要なものっていうのが上位に来てます。
当然25年以上増配しないといけないので、ハイテクの企業って一応は存在してるけど、あんまり多くないのが分かります。
一言で言えばハイテクが少なめでやや保守的な比率な感じです。
今、ハイテクの調子が悪いの流行に流されやすいお客さんとか敏感になってる人をターゲットにして売り出したタイミングだろうと容易に推測がつきます。

最近この配当貴族規則指数いきなり話題になってますが、実は他にも似たような商品があります。
そもそも米国ETFにはNOBL(大手では買えない)とVIGがあり、ベンジマークとしてはS&P500 Diviend Aristocratsそのものに連動してるのでTracersの商品と全く同じです。
信託報酬が高い分、今回出た方が魅力的かと思います、他にも日本でも買える似たような商品があったけど、どれも信託報酬が高かったみたいです。
一方、VIGもすごく似てて、違うのは10年以上の連続増配であること、時価総額荷重平均であることです。
信託報酬も0.06%なので、今回出たやつよりかなり低いのが分かります。
今すごく話題になってるけど元々この手の商品はあったので、急に出てきた革新的なものではないです、いきなりパッと飛びつく前に、まず色々確認してみたいと思います。

早速パフォーマンスから見ましょう、先ほどあったNOBLとSPYのパフォーマンスを比較します。
このNOBLは信託報酬が違うので、Tracersと同じ信託報酬に補正します、結果はこんな感じです。
上下してる所は多少ありますが、たまたま今あるデータ全部持ってくると全くパフォーマンスがほぼ同じところに行き着きます。
一応、配当利回りも計算してて直近の値をずっと再投資する計算をしてます。
動き方を見てみるとさっきの構成銘柄でも分かると思いますが、最近はハイテクの調子が悪いんで一気に追いついてきた動きをしてます。

続いてリスク、リターンも見ましょう。
目論見書のデータだと配当貴族指数の方が「下値抵抗力が強い」って表現されてたと思います。
実際に計算する前にリスク、リターンを振り返ると、リスクは株価の変化率を横にとって縦に分布を取った時の、分布の幅をリスク、いわゆる標準偏差と言います。
リターンは株価変化率の平均値を算術平均リターンと言います。
計算結果はこんな感じです。

(週足を年率換算)NOBL
(+信託報酬補正)
SPY
算術平均リターン11.3%11.6%
リスク16.5%16.9%
リターン/リスク0.690.68

見てみるとほぼ同じ結果だったので、大体同じ数字になってるのが分かります。
リスクも比べてみるとほぼ一緒で、コンマ一桁の位がちょっと違うぐらいで、あんま感じないぐらいかもしれないです。
シャープレシオみたいなリスク辺りのリターンも、ちょっとだけNOBLの方が上くらいでほぼ一緒で、あれだけ強調して特筆することじゃないと思います。

当然、直近はハイテクが少ないので下がりにくい感じだけど、元々言ってた目論見書で大きく差がついてたリターンの話はどうか見てみたいと思います。
一言で言うと冒頭のやつは99年から比較してますが、それがセコいと思うんです。
99年はITバブルの直前で、時価総額加重平均の弱点はバブルに弱い所です。
バブルみたいに値段が不当に上がった所、お金をバンバンつぎ込んで、弾けた時に一気に下がってしまいます。
今もハイテクってそんな感じで、もしデータを全部持ってきたら99年からとかフェアな理由があるなら良いですが、この配当貴族指数は実は2005年から計算されてるものなんです。

さっきの99年からのデータはファンド側が何らかの考え方でちゃんと計算して、引き伸ばして書いてると思います、じゃあ何で99年まで引き伸ばしたんだって疑いたくなりませんか?
わざわざITバブルの直前に持ってきたり、ちょっと悪意あるんじゃないかなと思ってしまったわけです。

試しに円換算のデータで1999年からS&P500とNASDAQ100と比較します、配当記録指数は99年からのデータがないので一応目論見書の値を複利計算で逆算した線を引くと見て分かるとおり、あのNASDAQ100ですら凌駕するような勢いで上がってるのが分かります。
NASDAQ100の動きを見ると分かりますが、99年を頂点にすごい勢いで下がってて半分以下みたいになってますよね。
当然皆さんご存知のとおり、NASDAQ100ってこの数十年めちゃくちゃ強い指数なので、それが歯が立たないぐらいの切り取り方をしてるので、あの目論見書の値が気に入らなくて、遡って計算するならもっと80年代とか70年代までやってくれって思いませんか?
この99年で止めてる所に意図的なものを感じずにいられません。

じゃあ何で最近、こんなに話題になるのかって話ですが、今年の年初来チャートを見ればすぐ分かります。
配当貴族指数とS&P500の比較ですが、今ちょっとバブル気味になってたハイテク株が急激にしぼんでいって、時価総額加重平均がきつい動きになってます。
この1年、配当貴族指数に対してS&P500が負けてると、直近の下落がS&P500よりだいぶマシだって所に起因してます。
人の記憶は新しいほど印象が強くなるので、この下落相場が始まる前はNASDAQ100にみんな飛びついたし、今、下落相場が始まってる時はハイテクからみんな逃げて別の所に行こうとします。
今、調子良いものに飛びつきたいって気持ちが配当貴族指数と言う、元からあったものを発売し直すだけで飛びついてしまうので、その流される感情を今一度、冷静になって欲しいと思います。

ごちゃごちゃ言ってきましたが、その商品に対することじゃなくて流行りのものにね飛びつきたくなる気持ちにね釘を刺しているだけで買わない理由とは関係ないですが、動画主が買わない理由は1個だけ、S&P500 Diviend Aristocratsって指数の考え方、25年以上連続増配に均等荷重って考え方に数理的な根拠がない、印象だけでやってんじゃないかなって気がします。
連続増配年数を横軸、例えば縦軸にシャープレシオを取った時に25年だったら一番良くなるってデータを皆さん見たんですか?多分印象でやってるんじゃないかなと思います。
25年が良いなら30年とか100年の方が、はたまた10年の方が良いんじゃないかと思いませんか?
当然、年数を多く取ったら年寄りばっかりの企業になっちゃうし、年数短くするとハイテクとか攻めた企業が多く入ってきますよね、どこかに良い点があると思うけど「25年がベストって根拠がない」と思いました。
例えば10年以上の増配にあるVIDと比較すると、5年間のデータですがVIDの方が成績良いじゃんって言うのも一例として挙げられますよね。
あとVIDは時価総額加重平均なので、加重が違うのも勿論あると思います。
大事なのは考え方だけかなと思ってて、25年増配プラス均等加重がベストだって考え方があんまり納得感がないのが買わない理由です。
一方でS&P500やオルカンはCAMPって言う、ノーベル賞を取るような数理的な根拠がしっかりあり、すごく納得してて美しい考え方だと思うので、そっちの方が良いと個人的に思います。

繰り返しになりますが周りの風潮に流されるのは本当、気をつけてください。
日経平均株価と、ある投資信託への資金の流出入を書いたものを見てみると、日経が上がってる時に個人投資家達はみんな「投資信託を買え」って言って買うんですけど、悲壮感が漂ってきたらみんな「売れ」って言って、そこで売ってしまうんです。
天井で買って底で売ってしまうと、周りに流されるとこう言うことが起こってしまいます。
特に今起こってるのは「ハイテクが厳しい」って風潮が蔓延してると思います、それに過度に飲まれてはいけないと思います。
ハイテクが厳しいから今の考え方をちょっとディフェンシブにしようとか安易に流されず、元々、自分がどう考えてたかって心構えに立ち戻るのが長期投資の基本だと思います。
この手の商品が出た時に「市場平均は強い」ってことをもう1回思い出して欲しいと思います。
何回も紹介しますがアメリカのアクティブファンドが15年経つと9割がS&P500にアンダーパフォームしてます、いわゆる負けてます、長期投資になるとプロの9割が惨敗するほど市場平均は強いんです。
25年増配って単純なロジックとか、何%下がったら買い増しするってロジックなんかで市場平均は上回れないって重々思ってた方が良いと思います、それで勝てるならプロみんなそうやってますから。

投資先としては良い投資先だと思いますし。そんな危ない商品ではないと思います、コストも十分低いですし過去のパフォーマンス見てもS&P500とほとんど同じような動きをしてます。
あと「連続増配」は人間の心理的にはやっぱり安心感があると思います。
本音だけで言うと多分、S&P500と大差ないと思うので、もし買っていたとしても別にほったらかしとけば良いと思います。
正直、S&P500とあんま変わらんだろうと思いますので、どっち買っても良いかなと思ってます。
動画主はどっちの考え方に共感するかと言うとS&B500とかオールカントリーの方が好きかなと思ってるだけです。

結論
・配当貴族:25年連続増配+均等加重
→実は米国にはNOBLやVIGが元々あった
・入手可能データではS&P500とほぼ同等
→目論見書のデータは切り取り方が不自然だと思う
・ぼくは配当貴族は買いません(平民ですので…)
→25年連続増配にCAMPを超える説得力を感じない

今回は今話題になってる配当貴族指数について調べました。
25年連続増配プラス均等荷重って考え方だけど、米国には元々NOBLやVIGって似たようなものがあったので今、話題になってるけどいきなり出てきたものではないことが分かったと思います。
今回入手可能なデータの中ではS&P500とほぼ同等だと分かりました、目論見書のデータでね2倍3倍ぐらいの圧倒的な差をつけてましたが切り取り方が不自然だと思います。
この商品を動画主は買うつもりはありません。
25年連続増配って考え方CAMP(現代ポートフォリオ理論)を超える説得力をね感じないからって理由です。
本音はS&P500とほぼパフォーマンスも同じぐらいだから買っても全然良い商品だと思いますし、そんな危険な商品ではないと思います、もし今すでに買われてる方も沢山いらっしゃると思いますけど、いきなり売る必要とか全くないかなと思います。

いきなり入り出したからパッと飛びつくとか、目論見書に書いてあったパフォーマンスが良いからって飛びつく考え方と、25年連続増配って所をどこまで真剣に考えたか、姿勢が大事だと言いたかっただけです。

「Tracers S&P500配当貴族を買わない唯一の理由」雑感

sp500の下落ぶりに悩んで、配当貴族インデックスに切り替えた方が良いんじゃないかと思いきや、そこまで過度な期待は出来ないみたいですね。
要するに不景気に強い銘柄か、好景気で伸びる銘柄かって違いみたいです。
それでもリスクを分散するため、配当貴族インデックスにも資産を振り分けるのは一つの手かもしれません。

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