4%ルールの「嘘」投資信託の取り崩しは破綻まっしぐら?

投資

FIRE界隈、セミリタイア界隈で様々な人が提唱している、主にインデックス投資でセミリタイアする方法の前提になってる「4%ルール」ですが、果たしてそこまで過信して良い数字なのでしょうか?
長期的には過去、右肩上がりで上昇してましたが、短期的には上がり下がりの波があり、未来の株価なんて誰にも想像なんてつきません。
当然、実際に取り崩す金額にも考慮する必要があります。
さらに日本の場合(積み立てNISAでも使わない限り)投資の利益に対して税金を取られてしまいます。
せいぜい3%辺りに設定した方が無難、その3%すら「捕らぬ狸の皮算用」レベルだと個人的には思ってます。
4%ルールへの疑問を抱く中、こんな動画を見つけたので、4%ルールの真偽を確かめてみましょう。
「ぱせいお(東大卒会計士)の投資チャンネル」さんの動画です。

【4%ルール】4%ルールなんて机上の空論!実際の世界とは前提が違う!もっと失敗する確率は高い!という私の考えを話します。対応策も話します。

4%ルール:インデックス投資で資産形成した場合の出口戦略

「一般的な解釈」

一定の資産を形成した後に、当初資産の4%の金額を毎年売却し続けても、資産を運用しながら保有すれば、長期にわたって資産がゼロになる可能性が小さい。

簡単に言えば4%で取り崩しておけば、ほぼ間違いなく、一生安泰で暮らせます。
ただ、資産維持に不利な相場の直前で退職してしまった、運の悪い人だけは、途中で資産が枯渇しちゃうことがあります。

「実際の世界」

一定の資産を形成した後に、当初資産の4%の金額を毎年売却し続けると、資産を運用しながら保有しても、長期的には資産がゼロになる可能性がそこそこある

※動画主の独断と偏見も入った持論です

4%ルールの問題点とその対応策について話します。

【4%ルールの概要】

最近流行のFIRE
FIRE(Financial Independence, Retire Early)
=早期退職して、自由に生きようと言う新しい価値観

方法論
一定の資産を築いて、そこからの資産収入で生きていく
方法①:インデックス投資で運用、少しずつ売却←コチラの話
方法②:高配当投資で運用、配当を得る

動画主は①の方が資産が増えるスピードは早いので好きだけど、FIREした後に②のどんどん自動で配当が振り込まれるよと言う方法とは違って自分で取り崩さないといけません。

生じる疑問
どれくらいの資産があれば、生活費分を毎年売却し続けても、資産を減らさずに、一生暮らせるの?

ここに答えをくれた研究結果があり「トリニティスタディ」って呼ばれているもので「4%ルール」って言う内容です。

トリニティスタディ
米国テキサス州のトリニティ大学の教授による研究(1998年)

研究の内容
退職後の資産から、生活費を毎年取り崩しながらも出来る限り資産を死ぬまで長持ちさせるには?

研究の方法:バックテスト
前提①:運用方法(株式・債権はどれくらいの割合で運用するのか?)
前提②:運用期間(退職~寿命まで何年?)
前提③:取り崩し率(資産に対して生活費は何%?)
→それぞれの前提条件の時の成功確率は?
※成功=資産が枯渇しない

設定
・資産1億円持った夫婦
・運用先は株式75%:債権25%
・50歳で退職
・寿命は80%
・生活費400万円

前提①:株式75%:債権25%
前提②:30年
前提③:取り崩し率=4%

成功確率=98%

30年間暮らしても最後まで資産が枯渇しない確率が98%もある、ほとんど失敗しないのはすごい結果ですよね。
しかもすごいのは、ほとんどの確率で枯渇しないって事じゃなくって、何なら30年後に資産が枯渇しないどころか爆増してましたってケースが多いことですよね。
4%ルールの論文の最後の方に、成功したかどうかと言う二元論の話だけじゃなく、死ぬ時に資産がいくらになったかも載っていて、1000ドル持って退職した場合に30年間運用しながら4%ずつ取り崩した場合、資産がどれぐらいになってたか?

1000ドルを持って退職
30年運用しながら4%ずつ取り崩し続けたら…

30年後の資産残高は…
平均値で9000ドル(9倍)
中央値で8500ドル(8倍)

超絶、運悪くて失敗する人も本当にたまにいるけど大体の人は資産を何なら増やしてるし8倍とか9倍とかもザラにいる

一つ目のテーマ、4%ルールの概要についてまとめておきましょう
以上が一般的な解釈ですが、今回はこの読み取り方はちょっと危険だって話をします。

4%ルールの検証方法

2つ目のテーマ、4%ルールの検証方法を見ていきます。
先ほど簡単にお伝えした通り、トリニティスタディの4%ルールをどう導き出したかと言うとバックテストです。
どの期間を見てバックテストをしたかと言うと1926年から1995年間の70年分のデータを見ています、第一次世界対戦の後からそこから第二次世界大戦があって戦後があって日本がバブルぐらいまでの間の時代です。

この70年間の期間で退職してから寿命まで30年間の運用期間のケースをバックテストしましょう。

まず最初は1926年に退職して、そこから30年間、1955年まで生きた人の期間。
次はそこから1年遅れて退職した人もいるわけで次、1927年、2年目に退職してそこから31年目、1956年まで生きたよっていう人、1年ずつずらしながら見ると最後は1966年に引退して1995年後のテスト期間の最後で亡くなった人、この41のテスト期間が取れるわけです。
引退した人が1人ずつ41人いるとして30年後、皆さん資産が残ってたか、途中で死んでないかを見ていくのが「トリニティスタディ」で、実際この41人を見ると、一人だけ資産が枯渇して失敗した人がいます。
成功確率は41回のテスト期間で1回失敗、40回成功してるので40/41、つまり成功確率は98%だったと言うのが「トリニティスタディ」です。

41個のテスト期間
40期間で資産枯渇せず
1期間で資産枯渇!

成功確率=98%
(=40/41)

ここでs & p 500の長期チャートを持ってきて、1926年から1975年の期間を調べます。
70年のうち最初の41年、一人ずつリタイアさせる、こんな感じでテスト期間を41本調べると、失敗した人が唯一、一人いました。
どこで失敗したかと言うと1929年から退職生活に入った人が失敗しました。
1929年と言えば世界恐慌で、世界恐慌の後にえらい暴落してて、退職直後にこの人は暴落を食らったんだけど、のんきに4%ずつ、毎年400万ずつ取り崩して、その後は相場は戻ってくるけど、それでも耐え切れず資産が途中で枯渇して泣く泣くショートしてしまったわけです。
4%ルールをどう検証したか、ご理解いただけましたかね。
2つ目のテーマ、4%ルールの検証方法について見ました。

まとめ

過去70年分のデータに基づき、30年間の退職期間を41期間分析した所、41期間中40期間は資産が長持ちしてセーフ、ただし1期間が不運な期間であり資産が枯渇した。

世界恐慌前のイケイケ相場で資産を増やして退職した人は、その後の暴落で失敗してしまったね…とは言え他の40期間で成功しているから安心していい…?

4%ルールの問題点

結論を話すと実世界でのFIREの成功確率ってもっと低いでしょ、さっき98%成功すると言ったけど、もっと低いはずだと動画主は思ってます。

トリニティスタディの論文はFIREと言うより普通に定年退職して、その後どうやれば老後、資産を長持ちさせながら暮らせるか研究です。
だから定年退職がメインの想定で、定年退職の場合だと株式相場の良し悪しに関わらず毎年毎年一定人数が60歳、65歳を迎えて退職生活に入ります。
所が自分達が気にしてるFIREはは毎年一定人数がFIREすると言うより、どちらかと言うと株式相場が良い時には資産を増やす人が増えて目標金額に到達してFIREできる人が増えるし、逆に株式相場が悪い時は資産が減るので、なかなか目標金額まで達成できず、FIREしましたって言う人は少なくなります。

世界恐慌が起きてから灰色の期間に、目標金額に到達してFIREする人は恐らく少ないと思います。
もちろん定年退職の場合は毎年、一定期間出るから灰色の期間でも定年退職に入る人がいますが、ことFIREとなるとこの期間に目標資産達成しました、FIREする人って少ないと思います。
一方、FIREする人が多いのはどっちかって言うと株価がイケイケな相場の時に資産を増やして目標金額に到達しましたと言ってFIREする人が多いんじゃないかなって思います。

ここからは動画主の独断と偏見に入ります。

トリニティスタディがやってるバックテストによれば、この70年間の間で30年の引退期間、41個のテスト期間が取れるわけです。
所が、相場が悪かった期間にFIREする人はほとんどいないと思うんです。
だから、相場が悪かった期間を含めてFIREの成功確率を考えるのってちょっと「ずるくない?」って動画主は思ってます。

実際には相場の良かった期間でFIREする人が多いと思います。
本当はFIREについて考えるなら、相場の良かった期間だけで成功確率を見るべきなんじゃないかなと思います。

実際、この41個のテスト期間を分解するとFIREしましたって言う人が続出しそうなテスト期間は実際16期間しかありません。
残りの25個の期間は相場が悪い期間だったので、FIREする人はほとんどいなさそうだって考えです。
定年退職とかって話じゃなくって、FIREの成功確率を見るなら41個の期間全部を見るんじゃなくて、16個に絞った方が正確なはずです。
で、16個のうち失敗が1個含まれているわけです。
だからFIRE失敗する確率はどれくらいって言われた時に41回中1回だから大丈夫だよ、じゃなくって実は16回中1回起きるから結構ハズレクジ引くはずだって言うのが動画主の考え方です。

トリニティスタディの前提
定年退職を想定している。退職する時期=ランダム

実際のFIRE界隈
相場が悪い時には退職せず、相場が良い時に退職することが多い

FIRE失敗となるのは、退職直後に暴落に遭う場合。
そして、暴落は良い相場が続いた後に訪れることが多い。
よって、退職後に暴落に遭いFIRE失敗となる確率は、実世界の方が研究結果より高くなると考えられる。

先ほどの解説をサイコロで言うならば…

問題:サイコロを振って、1が出たら失敗とする。失敗する確率は?

トリニティスタディの前提
どの目が出るかは、同様に確からしい。
>失敗する確率=1/6

実際の世界
このサイコロには細工が施されており、5と6の目は出ないようになっている。
(つまりどの目が出るかは、同様に確からしくない)
ぎゅっと失敗が濃縮されているイメージ

トリニティスタディでは、退職時期がランダムな前提だった。
しかし実際の世界では、良い相場で退職しがち。
よって退職後に暴落したFIRE失敗となる確率は、実世界の方が研究結果より高いと考えられる。

4%ルールの対策

×取り崩し率を下げる(目標資産を増やすか生活費を減らす)
×暴落に備えて、投資資産とは別に現金を多く用意する

(こんなん準備してたらいつFIRE出来るんだろうって感じですよ)

〇FIRE後も稼げるようにしておく
〇生活費はいつでも抑えられるように固定費を少なくする

(つまり柔軟にしておこうよと言うこと)

暴落時期がしんどくなったら、のんきに取り崩し続けるんじゃなくって、ちょっと稼いでみたり、ちょっと生活費を下げたりして乗り切る、そうすれば資産を枯渇しないように長持ちさせられます。
こういう柔軟性がFIREする人には求められてるんじゃないかなと思ってます。

4%ルールの余談

今回はざっくり数字遊びだったので、ばっさり25年切り捨ててしまいましたが、世界恐慌前にそこまで資産が大きくなかった人は、その後も積み立てを続ければ、低迷期の25年の中でも、実はFIREできる可能性はゼロではないと思います。
株式相場は不思議な生き物ですね。

逆説的に考えると、相場の波が悪い時に退職すればほぼ100%成功するということですね。

【4%ルール】4%ルールなんて机上の空論!実際の世界とは前提が違う!もっと失敗する確率は高い!という私の考えを話します。対応策も話します。の雑感

4%ルールの原理と、実際に資産運営した際の問題点が浮き彫りになってきましたね。
現実的な方法としては取り崩し率を下げるとか、普段から節約するとか、いつでも稼げるよう準備する、辺りでしょうかね。

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