底辺セミリタイア時の取り崩し方はどうする?もっと深掘りしてみた。

投資

以前紹介した「積み立て投資の終わり方」の内容が気になったので、もっと深掘りすることにしました。
(前回は「底辺セミリタイアは積み立てより「取り崩し」こそ難しい?」をご覧ください)
底辺セミリタイアするにあたり、資産の取り崩し方は永遠のテーマかもしれません。
もっと具体的に資産の取り崩し方を学びましょう。

第228回 【最後はどうする?】つみたて投資で増えたお金の取り崩し方【株式投資編】

今日の話題:つみたて投資で増えたお金の取り崩し方について解説

今日のテーマは「最後はどうする?積み立て投資で増えたお金の取り崩し方」ってテーマで話します。

非常に面白い投資の本が出版されました、その名も「積み立て投資の終わり方」この本は投資信託クリニック代表でFP歴20年以上インデックス投資アドバイザーの大ベテラン、カン・チュンドさんの著書です。
セールスポイントは「お金を減らすこと」をメインテーマにしてます。
今、本屋に行くと大量の投資の本が並んでますが、お金の減らし方、つまりファンドの取り崩し方をテーマにしてる投資の本は皆無です、今まで市場になかった本が出たって点で非常に意義深いですね。

今日のテーマを聞いて「お金の減らし方なんてどうでも良いよ、増やし方を教えてくれよ」って感じる人がほとんどでしょう、でもそれは大きな勘違いです。
出口を考えず資産運用するのは出口のない迷路に挑戦するようなもの、金は使ってなんぼです。
資産運用では増やし方と同じくらい使い方、つまり減らし方が重要なんです。
ちょっと考えてみてください、一生懸命節約して一生懸命貯めた100万円を資産運用に回して20年の長期投資で300万円まで増やしても、50万円しか使わないうちに寿命を迎えてしまったら後悔しないと言い切れますか?

投資は自分が貯めたお金の価値を増やす行為です、100万円貯金できた人がそのお金を投資に回す理由は、そうした方が一生のうちに使えるお金が増えるから、基本的にはこれだけですよね。100万円は今使ってしまえばそれでおしまい。一方、投資で300万円に増やせれば300万円分楽しめますからね。
でも増やすだけ増やして、そのお金を上手に使えず人生が終わってしまったら投資なんてしないほうがドキドキもしないし手間も掛からないし好きなことに時間とお金を使って、もっと楽しい人生を送れるはずだったのでは?ってことになります。
結局、増やして使う投資はこのセットでようやく完成します。

「積み立て投資の終わり方」は資産運用後半戦について考える良書です。
インデックス投資家が知るべき3つのこと積み立て投資のあり方4ステップ、それから動画主の雑感の3つを解説します、珍しい切り口のテーマなので最後まで楽しめると思います。

インデックス投資家が知っておくべき3つのこと

結論、この3つです。
「リタイア近辺で起こる2つの症例」「取り組むべき3つの宿題」「老後は投資が浸食しやすくなる」この3つです、順番に見てみましょう。

①リタイア近辺で起こるふたつの症例

まず1つ目「リタイア近辺で起こる2つの症例について」
リタイヤが近づいてきた人にありがちな症例がこの2パターン、一つ目は「投資を早くフィニッシュさせたい症」です。
積み立ててきた資産を売却して現金化して利益を確定しない限り、投資の利益は絵に描いた餅ですからね、リタイヤを前に投資を終えて分かりやすくゴールしたくなる、株価の上げ下げを気にしない人生に入りたくなる人がいるのも当然でしょう。
そして2つめは反対に「投資のスピードが落とせない症」です。
積み立ててきた資産を取り崩さず積み上げ続ける、つまりずっと使わない、リタイア前と変わらないリスクを取り続けるって症例で、投資すれば資産が増えるのを実感して楽しんできた人ほど陥りがちです。
投資から完全離脱したい人とガンガン投資を続けた人、どちらにも課題があならリタイア後は一体どんなスタンスを取るべきなのか、答えは2つの症例の中間にあります。
ある程度の投資を続けて資産の寿命を伸ばしつつスピードを落として、使うことに焦点を当てる、このバランスが重要です。
2つの症例があることを理解した上で自分なりの最適なバランスを模索する必要があります。

②取り組むべき3つの宿題

次「取り組むべき3つの宿題について」現役から老後生活に移るにあたっての宿題はこの3つ「リタイア時に果たして積み立てを止められるか?」「リタイア時に果たして資産の取り崩しファンドの解約を始められるか?」そして「果たしてそのお金は使えるのか?」の3つです。
カンさんの言葉を借りれば「それまで登ることに適用してきた人が真逆の下りに合わせて歩き直す」ってことで、これまでしっかり積み立てを続けてきたインデックス投資家の優等生ほど難しく感じる宿題かなと思います。
FIREした人の中には未だ、この宿題に向き合ってる人も見受けられます。特に彼らは若くしてリタイアしてるので、使うことに対する抵抗感は強いです。
結局、大きな資産を持ってるにも関わらずいつまで経っても大きな資産に見合うお金の使い方が出来ずにいるわけですね。

繰り返しますが「お金は使ってなんぼ」リタイアを機に資産額を増やすことからお金を上手に使うことに焦点をずらして習慣を変化させる必要があります。

③老後は投資が侵食しやすくなる

次「老後は投資が浸食しやすくなる」について解説します。
現役時代は勤労収入、働いてる収入があったけどリタイア後はなくなる、すると保有資産の増減が暮らしに直接影響する、そのため資産の価格変動で気持ちの起伏が起こりやすくなる、って話ですね。
例えば株価が下がって30万円損したとしても、現役時代なら給料という慰めがあります。
「まぁ減ってもまたコツコツ投資して入金すれば良いか」って考えられるから焦らずにいられる側面もありますよね。
でも老後はその慰めがなくなり、資産の増減がダイレクトに生活に影響して、要するに現役時代よりリスクに耐え難くなります。
ここを意識して老後の資産配分を考える必要があります。

つみたて投資の終わり方4STEP

次「積み立て投資の終わり方」4ステップいきましょう。
以上見てきたとおり、インデックス投資で資産を増やすフェーズと、作った資産を使うフェーズでは状況が全く異なります。
登山で登りのテクニックと下りのテクニックが違うのと同じように、資産運用でも「降り」ならではのテクニックを学ぶ必要があります。
積み立て投資の終わり方4ステップの解説に移ります、先に全体像を確認しましょう、この4ステップです。
STEP①「投資のリスク量を落とす」STEP②「リスク資産のスリム化を図る」STEP③「ファンド解約の練習をする」STEP④「リタイア後、年に1回全資産(安全資産+リスク資産)を定率で取り崩す」順番に見ましょう

STEP①:投資のリスク量を落とす

STEP①からSTEP③は退職前5年間の準備期間中に行うものです。
例えば35歳から投資を始める「積み立て期」です。
そして60歳から65歳が退職前5年間の準備期間、ここからSTEP①がスタートです。
そして65歳から90歳で資産を取り崩す「取り崩し期」です。
60歳から65歳、退職前5年間の準備期間にまず最初にやるべきことが「投資のリスク量を落とす」ことです。
資産は一般に次の2種類に分けられます。
「安全資産」と「リスク資産」です。
安全資産は預貯金や個人向け国債等、元本が確保されてる資産です。
一方、リスク資産は元本が確保されてない、元本が変動するすべての資産です。
若いうちはリスクを取れます、収入もどんどん伸びていくことが期待できるし、もし何かの事情で仕事を失っても次の働き口も見つけやすいです。
しかし65歳を過ぎて退職してしまうと、そうもいかないですね。
だから多くの人は65歳に向けてリスクを落とすべきです。

安全資産2:リスク資産8の資産構成、例えば預金が2に対して株式ファンドが8の資産構成を、預金4対株式ファンドを6に移行するってイメージです。
また、こんなリスクの落とし方も考えられます。
安全資産3:リスク資産7の中身を、預金3:全世界株ファンド7から、預金3:バランスファンド7に移行する、バランスファンドの中身は債券50%、株式50%って感じです。
要するに安全資産とリスク資産の比率はそのままにして、リスク資産の中身をより低リスクのファンドに置き換えたイメージです。
結局リスクを落とすというのはこう言うことです、安全資産預金などの割合を増やす、それからリスク資産をより低リスクなものに置き換える。
時速50kmの車を時速に30kmぐらいまで落とす、年を取ったらより一層、安全運転が重要です。

STEP②:リスク資産のスリム化を図る

60歳から65歳、退職前5年間の準備期間に2番目にあることが「リスク資産のスリム化」です。
要するに持っているリスク資産の数を減らす、もし10本のファンドを持ってるなら思い切って1本集約してしまおうってことです。
何故スリム化すべきなのか、その大きな理由は資産の取り崩しが楽になるからです。
皆さん考えてみてください、番号1から番号10のファンドが100万円ずつあるとして総額1,000万円、つまり10本のファンドを持ってて、生活費として50万円のお金が必要になった時、皆さんはどのファンドから取り崩しますか?
結構難しい問題ですよね、持ってるファンドが多ければ多いほど管理が煩雑になります、含み益があるものから、含み損があるものから取り崩すべきか、すべてのファンドから均等に取り崩すべきか、そうこう悩むうちに取り崩すのが面倒になってお金を使わなくなったり、いつの間にかポートフォリオのバランスが崩れてしまうわけです。
書籍で紹介されてるポートフォリオ例がこちら、預金とe MAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)安全資産とオルカンのみのシンプルなポートフォリオです。
これなら例えば預金4割、オルカン6割など、比率を一定に保つのは容易ですし、時代がどう変わろうともオルカンが綺麗に分散投資を実行してくれます。
例えばアメリカが強い時期はアメリカへの投資比率が高くなるし、新興国が強くなれば新興国への投資比率が高くなります。
一般に人は50歳を過ぎると認知機能が低下し始めるそうです、特に遂行力判断力記憶力は早期に低下し始めます。
そして80代前半で10%から15%、80代後半で15%から25%、90歳以上では30%の人が認知症になると言われてます、資産のスリムか考えておく必要があると思わせるには十分なデータですね。

STEP③:ファンド解約の練習をする

60歳から65歳、退職前5年間の準備期間に3番目がファンド解約の練習です、この書籍の凄い所は、こう言う話題にまで踏み込んでる所ですね。
筆者のカン・チュンドさんは長年のファイナンシャルプランナー経験からインデックス投資家の心理を非常に良く捉えてますね、さすがです。
積み立て投資で資産を築いた人は資産を積むことが堅牢な習慣になってます、好況時も不況時も15年、20年とひたすら淡々と資産を積み上げてきたわけですから。
ある日突然「ファンドを売って、使いなさい」と言われても無理な話です、歯磨きをするなって言われても歯磨きしちゃいますよね。
だからカンさんはこう提案しています。
「リタイヤ前の準備期間を利用してファンドを任意解約してみましょう、出来れば10万円以上、50万円単位の解約でも構いません、そして解約がこれからの日常になると自分に言い聞かせましょう、子どもの大学院の入学資金にする、給湯器の取替費用にする、ソファーを買い替える、北海道に家族旅行に行くなど」
これを聞いて「そんな練習何の意味もないよ、今までの努力が無駄になるよ」って抵抗感を示す人ほど増やすマインドセットを解く必要があるから、、任意解約の必要性が高い人です。
お金を増やすために訓練が必要なように、お金を減らすためにも訓練が必要、お金の増やし方をマスターしてしまうと後が大変ですね。

STEP④:リタイア後、年に1回全資産(安全資産+リスク資産)を定率で取り崩す

以上、退職前の5年間を準備期間として3つのステップを実行してきました。
STEP①は投資のリスクりを落とす、STEP②はリスク資産のスリム化を図る、STEP③はファンド解約の練習をする、の順番でした、そしてSTEP④が本格的な取り崩し機のアクションです。
「年に1回、全資産(安全資産+リスク資産)を定率で取り崩す」です。
インデックスファンドの取り崩し方法は大きく3種類あります。
一つ目が必要になった時必要な額だけ取り崩す。
2つ目が定額で取り崩す(例えば毎年100万円分取り崩す)
3つ目が定率で取り崩す(例えば毎年資産の3%相当、少額を取り崩す)
2000万円の資産なら2000万円×3%で60万円を取り崩します。
この書籍で推奨されてるのはメインは3番、定率で年市取り崩し、そしてサブが一番、必要になった時、必要な額だけ取り崩すスタイルです。
なぜ定額の取り崩しではなく定率での取り崩しが良いのか、理由は資産寿命が延びるからです。
定率で取り崩すと言うことは株式市場が好調で資産額が増えた時に取り崩し額が増える、株式市場が不調で資産額が少ない時には取り崩し額が減ることになります。
例えば投資元本が1000万円だとしましょう、これが1500万円に増えた時は3%は45万円、これが800万に減った時は3%は240,000円、取り崩し額が大きく変わってますね。
もし不況時で評価額が伸び悩んでる時に大きな金額を取り崩すとどうなるか、例えば毎年絶対に100万円使うんだってスタンスで評価額が800万円に減ってる時に100万円も使ったら資産は10年持たずに枯渇してしまいます。
インデックス投資の世界では積み立ては定額で、取り崩しは定率で、が半ば常識になってます、このことを知ってるだけでも金融リテラシーはかなり高いです。
より具体的に取り崩しルールを見てみましょう、仮にこんなポートフォリオで老後スタートしたとします、金は1000万円、そして全世界株ファンドも1000万円、安全資産5:リスク資産5の資産バランスです。
取り崩しルールの位置が年末に総資産額を算出、そして取り崩し額を決定、ここでは総資産からの取り崩し率を3%します。
仮に年末の全世界株ファンドの評価額が1200万円に増えたとすると総資産額は預金が1000万円と全世界株が1200万円、合わせて2200万円、取り崩し率を3%とすると取り崩し額は2200万円×3%で66万円になります。
そしルールその2、リバランスを兼ねて年初に取り崩しを実施します、その際に気をつけるべき点があり、安全資産部分だけとか、リスク資産部分だけ3%って取り崩し方はNGです。
何故NGかと言うと、ポートフォリオのリスクバランスが変わるからです。
正しくは安全資産とリスク資産の比率が一定になるよう取り崩すんです、2200万円から66万円を取り崩すと総資産額は2134万円になります、これを安全資産とリスク資産に案分するんです。
安全資産とリスク資産の比率は5:5だから預金は2134万円×50%で1067万円、株式も2134万円の50%で1067万円、これが取り崩し後のあるべき資産構成、つまり答え、ゴールです。
この状態に持っていくためにはこうする必要があります。
まず1200万円の全世界株ファンドを133万円分売る、1200万-13万円、これで1067万円になるからゴールです。
そして133万円のうち67万円は預金にする、元々の預金1000万円と今解約した67万円で合わせて1067万円でゴールです。
そして余った66万円は自由に使う、これがホントの取り崩し額ですね。
こうすることで預金と株式ファンドの比率を守ったまま総資産の3%をきっちり使えます。
ここまでの話で「もう数字が多すぎて死にそうだよ」って感じた人もいるかもしれません、それこそがファンドのスリム化をして取り崩し回数を年1回にした理由です。
皆さんファンド1本取り崩し年1回ですらこの複雑さですよ、しかも今回の計算税金は加味してないです。
複雑な管理をしようとして失敗したらどうなるかいつの間にか資産バランスがめちゃくちゃになります。
気がついたらリスクを取り過ぎてて、暴落で絶望しないといけません。
そして気がついたらリスクテイクが足りなかった、ある程度株を持たないと資産は増えない、つまりリスクテイクが足りなかったら長生きリスクに対処できない、こんな状況を招きます。
書籍「積み立て投資の終わり方」では安全資産とリスク資産のトータル資産を定率で取り崩す方法、やり方を丁寧にシミュレーションしてくれてます。
臨時的な出費がある場合や運用が上手くいった場合、上手くいかなかった場合、どんな時も対応できるイメージを持てるはずです。

以上をまとめると積み立て投資の終わらせ方はこのとおり。
STEP①投資のリスク量を落とす、STEP②リスク資産のスリム化を図る、STEP③ファンド解約の練習をする、STEP④リタイア後、年に1回全資産、安全資産とリスク資産を定率で取り崩す。
自分の人生設計にどう当てはめるか考えると面白いと思います。

学長の雑感

次、学長の雑感。最後に書籍を読んだ動画主の雑感について触れます。
これは良いなって思ったフレーズは「お金の増やし方は普遍的、お金の使い方は個別的」です。
インデックス投資は合理的で非常に妥当性の高い投資手法ですよね、金融のプロではない多くの一般の人にとって、これほど信頼性の高い投資はなかなか見当たりません。
お金の増やし方は普遍的、みんなに当てはまる答えがあるわけです。
一方でお金の使い方に正解はありません、旅行やブランド品に200万円使おうが、キャバクラで100万円使おうが、アイドルの追っかけに100万円使おうが、ゲームやフィギュアに100万円使おうが何の問題もないわけです。
でも合理的にお金を増やせる人は資産運用で投資してるように、使い方にも答えを求めがちです。
インデックス投資をしてて金融リテラシーが低いと言われることはないでしょう、SNSで「あいつは情弱」だって後ろ指を差されることはありません。
一方でお金の使い方についてはどうでしょう、他にに理解されないお金の使い方をしたらアホだって思われることもあるでしょう、本当はアホだと思われてもどうでもいいけど、貯めて増やすときは合理的に、使う使う自分が納得すればそれで良いと、アホになって使うお金と上手に付き合うために求められるのはそう言うスイッチの切り替えです。
カンさんが言うとおりお金を増やすことに長けた人は、それを続ける方がお金を使うより楽なんですね。
考えてみてください、例えば1000万円投資して3000万円にしたのに500万円しか使わないで寿命が訪れたら、投資元本に対して評価額は3倍になったけど、投資元本に対して使った額は50%だけです。
実質的に半分の価値しか使ってないので、これはもう大暴落、ちょっとしたセルフリーマンショック状態です。
投資額に対して何倍資産を増やしたか、の指標は確かに大事です。
一方で投資額に対してその何倍の金額を自分で使えたのかのの指標も意識すべきでしょう。
もしこれが1倍を下回るようなら、皆さんは配偶者や思想に残すためにお金を稼いだことになります。
悪いとは言いませんが、もう少し自分の人生を豊かにする道もあったかもしれません。
お金の増やし方は普遍的ですが、使い方は個別的です、答えはありません。
ただ自分が後悔しないようにだけ、ちゃんと向き合っていきたいですね。

他に気になった点は、オススメのポートフォリオの例でバランスファンドが登場する所、現金とオルカンの比率だけでリスク調整する方がシンプルで楽な気がします。
そもそも安全資産とリスク資産の比率をどう決めるべきかって話題にもう少し踏み込んでも良かったかと思います。
全体の運用額が増減する過程でリスク許容度が変わる可能性がありますし。
その時、安全資産とリスク資産の比率をどう見直すべきか、見直さないべきかについてもカンさんの意見を聞いてみたかったです。

他に気になったのは定率法は合理的に資産を取り崩せる一方、資金ニーズを満たしにくいことです。
例えば年間で100万円、家計が赤字になる人がいるとします、しかし定率法では多く取り崩したり、少なく取り崩したりするので必ずしも不足する資金を埋め合わせられるとは限りません。
また多く取り崩した年は来年のためにとっておく、と言った資金管理法も紹介されてましたが結局の所、お金を使わない方向にするための資金管理法です。
少なく取り崩す時は資金ニーズを満たせない可能性がある、多く取り崩した時は預金を貯め込む方向に行ってしまう、結局定率法で取り崩しするのが全てを解決してくれるわけではないです。
そう考えると本書では否定されてましたが、高配当株投資は出口が楽です。
今まで給与の範囲内で暮らしてきたように配当金の範囲内で暮らせば良いだけだからです、取り崩し率とか取り崩し額とか来年に備えるとか何も気にする必要はありません。
配当金ももちろん変動しますが資産額ほどの変動はないですからね。
バリュー株への偏りがあるだけにリスクも相対的に抑えられてます、インデックス投資の方が普遍性はありますが、高配当株投資も支持される理由があります、ただ入口の銘柄選定は鬼門ですけどね。
入口簡単、出口難しいのがインデックス投資、入り口は難しいけど出口簡単なのが好配当株投資と位置付けてます。
それから貯めた資産を「心の負債」って表原されてたのも刺さりました。
本書にはこう書いてあります「88歳で8800万円の資産がある、それはそれで素晴らしいです、しかし別の視点で見れば8800万円とは心の負債です。8800万円は出来るはずだった経験(思い出)の未購入額と捉えることもできます」
お金を使うために増やしたってことを忘れると、おかしなことになります。
お金は増やしたい一方、心の負債を増やし過ぎないようにしたいですね。
その他本書には著者の視点ならではの沢山のフレーズ、ワードがあります、インデックス投資界隈は本当に良心的なアドバイザーが多いなって感じます。

まとめ:お金を増やすことだけではなく、「使う」ことにも焦点を当てよう!

最後にまとめです。
今日の動画では
カン・チュンドさんの「積み立て投資の終わり方を参考に」この3点について解説しました。
インデックス投資家が知っておくべき3つのこと、リタイヤ近辺で起こる2つの症例、投資早くフィニッシュさせたい、投資のスピードを落とせない2つの症例が起こりがちです。
進むべき道はこの中間、バランスの取れた選択を心掛けましょう。
取り組むべき3つの宿題「リタイア時に果たして積み立てを止められるか」「リタイア時に果たして資産の取り崩し(ファンドの解約)を始められるか」そして「果たしてそのお金を使えるのか」この3つです。
お金は使ってなんぼです。この宿題、難易度が高めですが必ず向き合う必要があります。
道具は投資が浸食しやすくなるリタイア後は資産額が直接暮らしに影響するのでリスク許容度が低下します、老後の資産配分を考えるのに考慮すべきポイントですね。
積み立て投資の終わり方4ステップ、step①投資のリスク量を落とす、step②リスク資産のスリム化を図る、step③ファンド解約の練習をする、step④リタイア後、年に1回全資産(安全資産とリスク資産)を定率で取り崩す。
インデックス投資、積み立て投資の終わらせ方はこの考え方が標準的、一般的になるかと思います。

第228回 【最後はどうする?】つみたて投資で増えたお金の取り崩し方【株式投資編】雑感

債権の組み込み、リスク資産の整理、底辺セミリタイアですら精一杯なのに、老後のプランを考えるのは色々と大変そうです。
あと、お金を「使う」ことも全然意識できてませんでしたね。
底辺セミリタイアを目指すと、とにかく節約しか意識が向かないもんですから。
資産を取り崩す場合、意識改革が色々と必要みたいです。

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