年収300万円でもセミリタイア出来るって本当?

セミリタイアする方法

どうやら日本の平均年収、年収300万円程度でもセミリタイア可能どころか、億万長者になれると豪語する書籍があるようなので、紹介します。
少しでも底辺セミリタイアの参考になる話があれば良いのですが…期待しないで読んでみましょう。

【年収300万円FIRE】日本で億万長者は難しくない|誰でもできるFIRE入門

貯金ゼロからのセミリタイヤ入門、本日は「年収300万円FIRE」って本を紹介します。
著者は32歳、年収327万円から30代でFIREした山口貴弘さん、youtubeでご存知かもしれませんが「ライオン兄さん」って方が書いてる「貯金ゼロから7年でセミリタイアするお金の増やし方」って書籍が今、非常に人気なので紹介します。

全体、読んだイメージはFIREの入門書ってイメージでした、中でも特に特徴的だったのが「年収は全く関係なくFIREは出来ます」と強く主張してる所です。
タイトルにもあるとおり「年収300万円」とか「30代で著者自身が327万円だった」とか、日本の平均年収よりは恐らくちょっと少なめだと思うけど、それくらいの年収でもやり方によってはFIREできる、そして日本で億万長者になるが難しくないんだよと伝えてます。
年収を上げるのってなかなか大変ですけど、年収を上げられなかったとしても億万長者になれるって励みになると思いました。

まずは何故、日本で億万長者になれるのか、意外となる人が多いのか、根拠となるデータを紹介します。

1つ目は野村総合研究所ホームページからの引用で、純金融資残保有額の階層別にみた世帯数が書かれてます。
純金融資産は預貯金、株式、債権、投資信託、一時払い生命保険や年金保険等なので、家の価値は含みません、それが1億円以上あるのが124万世帯で、プラス5億円以上あるのが8.7万世帯、日本が約5000万世帯ちょっとだとすると大体、50世帯に1世帯ぐらいが富裕層に入ると言われてます。
資産1億円って言うとかなりの金持ちで、めったに居なさそうなイメージだと思いますが、こうして見ると意外と日本って億万長者いっぱいいるんだなって思いませんか?
世帯主100人集めたら2人くらいいるよね、珍しさで言うとクラスに1人いるかいないかぐらいだよね、割と居るじゃん、みたいな。
2019年時点のデータの時点でも結構いるので、その世帯がかなり今後さらに増えていくと言われてます。

同じく2019年のデータでクレディスイスってスイスのシンクタンクが発表したデータだとミリオネア、100万ドル、およそ1億円くらい持ってる人数が日本では2019年から2024年にかけて71%も増加すると出されてて、2024年では516万人と予測されてます。
将来的な日本の将来推計人口が2024年で1億2300万人くらいと言われてるので、24人に1人は1億円持ってると、かなり多いですよね。
こちらに関しては先ほどの野村総合研究所のデータと人数が少し違いますが、恐らく家の資産価値も含めての数字なんじゃないかなと思います。
家で数千万円の価値があるなら、現金とか株式で残りの数千万を埋めて1億あるって数字になってて、総資産って書いてあったので、恐らく野村総研のデータとの違いがあると思います。
細かい話はともかく、つまり日本で億万長者になる人が意外と多いです。
何故かと言うと、こちらの式に集約されると言っても過言ではありません。

「r>g」
経済学者のトマ・ピケティ氏が「21世紀の資本」って本の中で示した不等式です。
「r」が資本収益率、株式や不動産って資産からの収益率「g」が経済成長率、GDPや我々の所得の伸び率です。
「r」方が大きいと言ってるので、株式や不動産をいっぱい持ってる億万長者達の収益の伸び率が、会社からの給料しかない大勢の一般人の伸び率より大きいってことです。
何を示すかって言うと「貧富の差の拡大」を示してます。

じゃあ今の時点で金持ちの奴がどんどん金持ちになるんじゃないかと思っても、そこで諦めてはいけないです。
確かに現時点で沢山資産を持ってる億万長者の人たちがさらに億万長者になりやすくなるのは否定できません。ただし、やりようによっては今現在全く投資できてない、会社からの主収入、給料しかない状況の人でも、こちらの「r」側に移動するのは、この日本でなら可能です。
日本では誰でもインターネットに接続できれば、すぐ投資口座を開設できて、かなり精度の高い商品をすぐ購入できる環境が整ってます、そして世界的に見れば確かにここ数十年の経済の停滞はあると言いつつ、日本はまだ全然お金持ちの国なんです。
そう考えると、投資元本は豊富にあり、これまで築いてきた現金、預金、貯金が日本人はめちゃめちゃあるのを考えると日本人のポテンシャルの高さは相当なものです。
家庭のタンス等で眠ってるお金を投資に回せば、かなりのポテンシャルがあります。
そうでなくとも、これから給料をせっせと投資に回せば全然この「r」側の住人になれます。
何で日本の伸び率が他国に比べてこんな高いのか分からなかったですが、預貯金の潜在的な額も考慮されてるんじゃないかなと思いました。

ともかく今、恵まれた日本って環境にいて投資しないのは非常に勿体ない、機会損失だと動画主も思います。
そして実際、年収が低くても億万長者になってる方は沢山いるようなので、それを目指そうって話です。

ここからは何故、年収に関係なくFIREできるのかって理由を説明します。
FIRE達成までの年数を決めるのは年収の高さではなく「貯蓄率」なのが理由です。
横軸に貯蓄、縦軸にリタイアまでの年数を取ったグラフです、例えば貯蓄率50%の所で見て投資リターンが5%で見ると大体、17年ぐらいがリタイヤまでの年数になります。
貯蓄率30%なら同じリターン5%で運用したとして28年後です。
こちらで注目したいのがグラフの右側で貯蓄率を上げれば上げるほど投資リターンの高さがあんまり関係なくなってくる所です。
例えば貯蓄率30%の時は投資のリターン1%なら45年くらいですが、投資リターンが8%なら20年ちょっとみたいな、かなりの差があります。
ところが貯蓄率をどんどん上げて、90%とか極端に上げると投資リターンの高さがほぼ関係なくなります。
90%はちょっと極端かもしれませんが、法則性として貯蓄率が高まれば高まるほど投資リターンの影響は小さいです。
たとえ年収があんまり高くない、投資の経験もあんまりないので高い投資リターンが狙えなかったとしても貯蓄率さえ上げられれば投資リターンの影響も関係がなくなる、より短期間でFIREしやすくなります。

そのことを踏まえて上でFIREには色々な種類があり、どんなFIREを狙えば良いかって話に移ります。
FIREの種類は大きく分けて4つあります。

一つ目はファットFIRE、世の中で一番イメージが強い、完全に資産収入のみで生活出来てる状況のFIREです。
ただしただし完全資産収入のみで悠々と暮らすのは割と難易度は高く、達成するまでにかなりの時間を要する可能性があります。
ただ成功すれば本当に何もせずとも暮らせる状態です。

続いてリーンFIRE、リーンは「無駄がない」って意味の単語で、結構ミニマリスト的なイメージで質素倹約な生活のFIREで、資産収入のみで確かに生活してるけど、かなりミニマリストみたいな、シンプルライフみたいな無駄の無い生活です。

続いてコーストFIRE、こちらも資産収入のみで生活してますが趣味として仕事を継続してる状態です。
コーストは「海岸・沿岸」って意味で、ビーチで遊びながらちょっと仕事してるみたいな、結構自由に暮らしてるイメージです。

そして本書でもオススメしてるのが4つ目のバリスタFIRE、資産収入と労働収入半分ずつで生活するものです。
サイドFIREとも言われてて実現性は比較的高いです。
バリスタは、要はコーヒー淹れる人で、半分の生活費を資産収入で賄いながら、もう半分はスタバでバイトするとか、パートタイムの仕事をして賄うイージースタイルのFIREがバリスタFIREで、このバリスタFIREってスタイルが実現性が高いので、シミュレーションに入る前にFIREの鉄則を復習しましょう。

FIRE本を読めば必ず出てくる4%ルールを一応復習すると、トリニティスタディと言うトリニティ大学の研究があり、ポートフォリオの成功確率をまとめてます。
要はゼロにならない、枯渇しないってことです。
50%株式、50%債権のポートフォリオ組んで、25年間4%ずつ引き出すと元本が100のまま減らず100%成功、むしろ増えてるケースも結構あり、100以上になるケースも多々あります。
この数字を見ると4%までが、株式多めのポートフォリオならかなり成功確率は高いです。
しかし5%、6%と高めてしまうと割と失敗する可能性が出てくる、
なおかつ株式が50%以上、75%や100%なら成功確率高いですが、逆に債権を増やしてしまうと失敗確率は高まってしまう、なので4%が結構絶妙な数字、非常に重要視されてる数字です。
その4%で年間の生活費を賄うことになると、その25倍の元本を用意すれば良いと逆算します。
4%の金額で1年の生活費を賄えればセミリタイアできる、資産を減らさず暮らせる、これが4%の基本的な鉄則です。

その上でいくつかのシミュレーションを見ましょう、例えばシンプルに計算すると生活費が月に20万円、年間240万円、25倍すると6000万円必要です、要は4%ルールに基づくとこうなります。
ただ6000万円貯めるのってなかなか大変です、これが生活費20万円の方にとって、完全に資産からの収入のみで生活するファットFIREだったら6000万円必要になります。
そこでちょっとパターンを変えてリーンFIRE、ミニマリスト的なFIREです。
生活費を少し抑えた一人暮らしだと14.5万円くらいで年間174万円、25倍で4,350万円くらいになるので、先ほどより少しハードルが下がりました。
ただし月に5万円くらい積み立てて資産形成しても、4,350万円貯めるのは30年掛かり、かなり大変です、仮にね二十歳からやっても50歳です。
FIREってアーリーリタイヤのことなので、あんまりアーリーリタイアじゃないよねってイメージがあります。
そこで次のプランがバリスタFIRE、基本的には一人暮らしですが生活費を結構切り詰めて月9.5万円で抑えて、手取り20万円って想定で生活費はその半分で収めるイメージです。
そうすると年間で114万円、×25年で2,850万円、バリスタFIREは半分は労働収入で補うので、資産収入として必要な元本は半分の1425万円です。
このバリスタFIREのシミュレーションになると手取り月20万円の想定だったので半分、10万円を毎月投資すると5%運用、インデックスの平均ぐらいで運用できたとすると約9年でバリスタFIRE達成可能です。

バリスタFIREになったことで、さっきのリーンFIREよりだいぶ実現性は高くなりました。
ここからさらに本書のオリジナルが入ってきて、バリスタFIREにスタートダッシュプランを追加します、要は投資初期の頃にもうちょっと副業とかで頑張って資金を追加しませんかって話です。

先ほどの事例だと手取り20万円のうち半分、毎月10万円を投資する話だったんですが、副業でもう10万円稼いで毎月20万円の投資、それを最初の2年間だけ頑張ってみませんかってことです。
最初のスタートダッシュで資金を追加できると良いですね、s&p500の平均リターン、7%の運用だったとして約7年間、6年~7年以内でバリスタFIREが達成できる計算です。
もちろん副業で月10万円稼ぐって簡単なことではないと思います、動画主もyoutubeやって4年目になりますが、最初からネットビジネスで10万円稼ぐの簡単じゃないです。
じゃあ肉体労働、時間切り売り労働で10万円稼ぐかって言うと、それもなかなか大変な話です、何をやるにしても副業で10万ってなかなか大変だって気持ちは痛いほど分かりますが、やっぱり投資の観点で言うとより長い期間、株式市場にお金を置いた方が圧倒的に有利なんです。
特にs&p500のような株式、特にアメリカのリターンを見てみると上昇してる期間の方が長く、基本的に右肩上がりの傾向がある資産に、いかに早い段階でお金を投資するかがめちゃめちゃ重要です。
確かに副業の観点から見たら月10万円追加、結構難しいって気持ちは分かりますが、投資の観点から見ると最初の段階で多めに入れるのは物凄く理に適ってる、

それに最初の2年だけって提案なので、特に若い方なら2年くらいがむしゃらに時間切り売り労働だとしても、肉体労働だとしても何かしら頑張って月10万円って出来なくないんじゃないかって個人的に思う所があります。
逆に年齢を経てる方なら、それだけの経験値があるのでコンサルをやったり、それを生かす副業は十分可能性あるんじゃないかなと思います。
その辺は自分が何を選ぶか、2年間って限られた期間だけでもプラス10万円頑張れませんか?そうすることで7年より短い期間で手取り20万円、貯金ゼロからバリスタFIRE達成する可能性もある、夢のある話です。

色々なパターンを今見てきたけど本書のほんの一部で、イメージは分かったと思いますが本書の内容を生かしてどう自分なりにカスタマイズするのか、色んなシミュレーションを選んで、先ほどのスタートダッシュプランのような、一般的なFIREプランにはない、ちょっとした工夫の仕方が見つかると思います。

投資初心者にも優しいFIRE入門書になってて、そして収入の高さに関係ないマインドセットの持ち方を学べるかと思います。
さらに年収が300万円台で実際に7年とかでリタイアされた事例もいくつか載ってるので励みになると思います。
非常に売れてるそうなので、FIREの入門書を読んでみたい方にオススメの1冊です、是非チェックしてみてはいかがでしょうか?

【年収300万円FIRE】「日本で億万長者は難しくない|誰でもできるFIRE入門」雑感

株式75%、債権25%って部分は参考になりましたが、他はイマイチでしたね。

この手の書籍にありがちですが、副業になると曖昧な方向に流れますね。
大体コンサルなんて誰でも出来るわけないじゃないですか、年を取ってたら経験を生かして~なんて、甘い世界じゃありません。
賃金労働で代用するにしても、すでにフルタイムで働いてる人間が、休日もアルバイト等で働くって相当キツいと思います、本業に支障が出たら元も子もないですし。

あくまでも月収+10万円って部分は「資金調達」が目的みたいなので、すでに資金を確保してるなら、さっさと投資に回した方が良いでしょう。

貯蓄額に関しても、あくまで「年収300万円程度」の人が対象なわけで、それより年収が下の人達はどうするつもりなんでしょうかね?
(本の題名が「年収300万円でFIRE」なので、仕方がない部分かもしれません)

あと、また貯金が貯まってたら「いつの間にか投資に回してた」って状態になってますね。
スーパーで野菜とカレールーを買ってきたらカレーの出来上がり、ってくらいに短絡的な表現です。
「銘柄選び」とか、投資に乗り出すための「覚悟」的なものとか、色々と抜けてるじゃないですか。

今回は外れ回でしたね、申し訳ありません。

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