もし最悪の状況でサイドFIREしていたらシミュレーション

投資

本気で底辺セミリタイアを考えてる場合、最悪の事態を想定する必要があります。
具体的に言うとセミリタイア直後にITバブル崩壊や、リーマンショック級の大幅下落に見舞われるケースです。
4%ルールの検証でも唯一、資金がショートしてしまったケースらしいです、詳しくは「4%ルールの「嘘」投資信託の取り崩しは破綻まっしぐら?」をご覧ください。
最悪の事態を想定したシミュレーションがあるようなので、実際見てみましょう。
「節約マスクのお金の話」さんの動画です。

サイドFIRE後の大暴落を検証【ITバブル&リーマンショック】

もしサイドFIREしたのが最悪のタイミングだったら資産はどうなるのか検証します。
サイドFIREしようと思っている人が一番不安なのは「会社を辞めて収入が少なくなった後に大暴落が来たらどうしよう」と言うことですよね。
年平均4パーセントで株価が上昇してくれれば資産は減らない計算でも、実際は大きく下がる年もあるので、株価の下落+取り崩しで資産がどんどん減っていたら精神的に辛そうですよね。
そうなったらサイドFIREしたのに、結局フルタイムで働いてしまうかもしれません。
動画主もサイドFIRえしてますけど、資産にめちゃめちゃ余裕があるわけではないのでしっかりシミュレーションしようと思います。
検証方法は過去のS&P500の値動きを元に、西暦何年にどんな条件でセミリタイアしたら何年後にいくらの資産が貯まっているのか資産推移で見ます。
特にITバブルの崩壊とかリーマンショックみたいな過去の大暴落の直前のタイミングでサイドFIREしてたらどうなっているのか気になりますよね、では早速見ていきましょう。

シミュレーションしてみよう

今回はgoogleのスプレッドシートでシミュレーションを作成しました。
動画の説明文にファイルのダウンロードページへのリンクを貼りますが、個人が趣味で作成したもので正確性に保証はないので予めご了承ください。
まずは入力欄をすべて入力します。
「運用資産」は自分がいくら貯めてサイドFIREをする予定かですね、とりあえず4500万円にします。
「毎月の支出」はサイドFIRE後の自分の支出を入力してください、国民年金とかも含めて支払うお金は全て入れた方が良いと思います、とりあえず20万円にします。
「毎月の収入」はサイドFIRE後に毎月いくら稼ぐか入力してください、とりあえず年間100万円程度のイメージで8万円にします。
ここをゼロにすればサイドFIREではなく完全FIREしていた場合のシミュレーションになります。
「いつサイドFIREしていたら」の所は選択できるようになってます、1970年以降で好きな年と月を選んでください。
今回はITバブルの天井になっている2000年9月にします。
そうすると右の表にずらっと数字が並んで、右にグラフも表示されます。
ではもし2000年9月のITバブル崩壊直前に4500万円をS&P500で運用しながら毎月20万円を消費して毎月8万円を稼いでいたら資産はどのように推移するのか、その時にサイドFIREしていた場合の妄想をしながらシミュレーションしましょう。
「ITバブルで株価が上昇して資産が4500万円を超えたぜ、こんなクソ企業辞めてやる」って言って会社を辞めたその月にいきなりS&P500はマイナス5%の下落をします、資産は250万円も減って、かなり暗雲の立ち込めるスタートです。
「ITバブルで値動きの大きい相場には慣れてるぜ」と余裕をかましていると11月にはマイナス8%で資産は早速4千万円を切って3800万円台になってしまい、毎日の株価が気になって仕方ありません。
2001年に入っても下落は続いて3月には資産が1000万円以上も減って3300万円台に突入です、ここまでたったの7ヶ月、さすがに不安になりそうですね。
その後は上がったり下がったりしながら1年が過ぎて、2002年の4月からまた大きな下落相場がやってきます。
9月までの間に-6%、-7%、-11%と下落が続いて試算は2200万円、たった2年で当初の4500万円から半分以上も減ってしまいました。
ただ、その後は2003年3月以降上昇相場になります。
じわじわじわじわ安定して回復して2007年5月には3200万円、運用資産が大きく減ってしまったので上昇相場での資産の戻りは少し遅いですが、安心した気持ちでドラマを見れるようになると、2007年サブプライムローン問題が表面化して世界経済は少しざわついてきます。
ここまで4年以上安定して上昇、S&P500はITバブルの天井を超えて過去最高値を更新した所でプライムローン。
ところが2008年に入って相場は一変します。
9月までの間で-9%、-3%、-8%、-9%、運用資産が2300万になって「もうやめて」と思った所で止めのリーマンショックです。
2008年9月にリーマンブラザーズが経営破綻したのがきっかけで、後に100年に一度と言われる金融危機に発展しました。
2009年2月までで金融資産は1400万円まで減少します。
ここまで来たらさすがに耐え切れず労働して収入を増やそうとする人が多いのではないでしょうか。
9年目なので仮に40歳でサイドFIREしていたとするとしていたすると49歳、そもそも大不況だしアルバイトを増やせるかも分かりません。
ただ実際はここが運用資産金額の大底になっていて、特に収入を増やさなくても乗り切れていたことが分かります。
2010年、2011年、2012年、2013年と、試算を地味に増やしていきます。
ただ、ちょっとリーマンショックの後にしては資産の増加が少ない気がしますよね。
ITバブル崩壊の後もそうですが、毎月の支出があるので一度試算が大きく減ってしまうと相場が良くても大きく資産を増やせないのが良く分かります。
その後も2015年のチャイナショック、2018年の世界同時株安、2020年のコロナショック等がありますが、リーマンショックを乗り越えた精神力があれば問題はないでしょう。
2022年3月現在、4000万円くらいの資産がある状態でとりあえずサイドFIRE生活22年目も無事に過ごしてる状態です。
40歳でサイドFIREしていたと仮定すると62歳なので一応、年金が受け取れる年齢になってますね、と言う感じでこの表を見ていきます。
この資産推移を分かりやすく表してるのが右のグラフです。
一番大底では2000万円を切ってることとか、今はだいぶ元の資産に近い所まで回復していることとかが良く分かりますね。
いつサイドFIREしていたらの年月を変更することで、色々なタイミングでのサイドFIRE後の試算を見られます。
例えばオイルショックがあった1973年にサイドFIREしてたら2年後の大底では2200万円まで資産が減ってしまいますが、その後は順調に資産が増えていって27年後のITバブルでは3億円を超えます。
ブラックマンデーの直前の1987年9月にサイドFIREしていたら、たったの3ヶ月で3100万円まで下がってますけど、その後はやっぱりITバブルとかで試算がガッツリ増えるので、その後のITバブル崩壊とかリーマンショックでも十分に資産に余裕があるのが分かります。
じゃリーマンショック前の2007年11月にサイドFIRえしていたらどうだったかと言うと、意外と余裕です
大底では2000万円くらいになりますが、気にしないでサイドFIRE生活を満喫していれば15年目の現在で資産は7800万円まで増えてます。
最初にシミュレーションした2000年からの検証はITバブルの上昇を取り入れることなくITバブル崩壊を食らって、資産がしっかり回復する前にリーマンショックを食らっているので戦後の歴史で言うと最低最悪のサイドFIREのタイミングだったんですよね。
ただ、それでも結果的に生き残れているので4500万円の資産と20万円の支出と8万円の収入と言うサイドFIREの成功の可能性は割りと高いような気がします。
この条件は人によって変わってくるし、条件が変われば結果も変わってくるので自分なりの条件を入力してシミュレーションしてみてください。
例えば4500万円を貯めるのは無理、毎月の支出を15万円に抑えるから3000万円で勘弁してくださいと言う場合、運用したを3,000万円に変更して、毎月の支出を15万円に変更して、サイドFIREの開始は最悪を想定してIT崩壊前にしましょう。
リーマンショック辺りで半分くらいまで減ってますけど、この条件でも資産は22年後にはプラスになってます。
では運用資産と支出は同じ条件で、毎月8万円も稼ぎたくない、3万円が限界な場合、毎月の収入を3万円に変更しましょう。
そうすると20年目辺りで資産がマイナスに突入して、サイドFIREは失敗してしまうことが分かります。
サイドFIREついて初めて考えた人はこのグラフがちょっと不思議に見えるかもしれません。
2000年にサイドFIRえしてITバブル崩壊でガツンと下がった後に8年後にリーマンショックでさらに下がるのは分かる、でもリーマンショック後の2009年以降は上昇相場のはずなのに、なんで資産が減り続けるんだと思います。
これは、さっきもチラッと言いましたが暴落のせいで資産が減りすぎて、その後の上昇相場で増える試算では取り崩し金額をカバーできなくなってるからです。
この例だと毎月15万円の支出に対して収入が3万円なので毎月12万円、年間で144万円の投資リターンがないと試算も減少します。
でも、この例の場合、リーマンショック後の運用資産が800万円くらいまで下がってしまっているので、144万円を得るためには年間18%のリターンが必要な計算になります。
年間18%のリターンがあって、ようやく試算が減らないで現状維持が出来る状態です。
リーマンショック後でもさすがに18%大きく上回る年が毎年続いて資産を増加させるほどのパワーはなくて、徐々に資産は減ります。
暴落を食らって運用資産が大きく目減りすると、期間の平均リターンが仮に高くても当初の予定通りに資産が増えずに枯渇する可能性が高まるのはサイドFIREを何となく計算している人の盲点になるので気をつけましょう。
年間に必要な金額をしっかり把握して、それを維持するためには最低どのくらいの運用資産が必要かを事前に考えれば、そのラインを下回ったらちょっと働く量を増やすとかの対応ができるのでオススメです。

補足説明

ここから補足説明です。

補足その1、ITバブルの天井でのサイドFIREは過去50年の歴史において最低最悪のタイミングである。

さっき最後に例に出した「稼ぐのは3万円が限界ですお兄さん」の場合、2000年9月にサイドFIREしてたら資産が枯渇していました。
でもそれ以外で資産がゼロまで減ってしまうタイミングは調べた所、2000年の1月、4月、4月、7月だけでした。
1999年から2001年くらいまではゼロになってないだけで、今後の立て直しが厳しそうな月もありますが、過去50年においてほとんど、どの時期でサイドFIRE開始しても現在までは生き残れていたことになります。
どこまで慎重に考えるかは人それぞれですが、ITバブル崩壊からのリーマンショックのような最低な出来事は起こらないと思ってたり、起こるとしてもピンポイントでサイドFIRE
したタイミングが天井になってる可能性は低いと思うなら、この条件でのサイドFIREも十分にアリだと思います。
そして運悪くそう言うことが起こって、運悪く天井でサイドFIREしてた場合は「収入を増やせばいいか」と考えられる人もサイドFIREしても良いかもしれません。
このシミュレーションでは資産がゼロになるまで悠長に毎月3万円しか稼いでないから簡単に資産が突発しますが、実際は株価が下がって運用資産が減ってきたら毎月の収入を増やしますよね?

最低のケースを想定するのが大切ですが、最低のシミュレーションを気にし過ぎるとサイドFIREの条件が高くて実現が困難になってしまうかもしれません。

補足その2、これはあくまでも各データを元にしたシミュレーションである。

言うまでもないですがITバブルの天井以上に最悪のタイミングになってしまう時期が今度来ないとは限りません。
このシミュレーションで生き残れている条件でサイドFIREしたからと言って「いつサイドFIREしても絶対20年以上生き残れる」って保証はないのでご注意ください。

補足その3、戦前にはITバブル崩壊以上に酷い時期があった。

こちらは1872年からの150年に亘るS&P500の値動きを表したチャートです。
良く検証で使われるのは1950年以降の戦後のデータが多いですが、戦前に関してはITバブル崩壊とリーマンショックのダブルパンチが可愛く見えるくらいの大暴落もありました、それが1929年から世界恐慌ですね。
天井からの下落率は80%を超えていて、最高値を更新するまでに25年程度掛かってます。
そして1800年代後半とか1900年代前半にもあんまり株価が上昇してないレンジ相場が長く続いている時期があります。
ちょっと時代が違いすぎるのでシミュレーションに含めた方が良いかも微妙ですが、気になる方は計算しても良いかもしれません。

補足その4、今回のデータは配当が含まれてません。

今回使用したのはS&P500指数そのものの値動きなので、本来は配当でもう少し成績は良くなります。
最近のタイミングをシミュレーションする目的なので要件が厳しくなる分には良いと思います。

補足その5、今回のデータは為替の影響は含まれてません。

日本で暮らす人間はお金を円で使うので、本来は為替レートも影響しますが、為替を含めて長期で検証するのはあんまり好きじゃないです。
こちらは1971年から現在までで1ドル何円かを時系列で表したチャートです。
1973年に1ドルが360円の固定相場制から変動相場制に移行して、1985年にはプラザ合意が発表されて急激な円高になってます。
プラザ合意と言うのはドル高で国際的な競争力が弱体化してしまうことを避けようとしたアメリカが各国に取る野生の誘導を要請した会議です。
変動相場制移行とプラザ合意はちょっと特殊なイベント過ぎる気がするので、この時期を入れて為替も含めて検証するのはちょっと微妙な気がします。
ただプラザ合意の再来が絶対にないとは限らないので、一応おまけとして為替も含めた数字でシミュレーションできるシートも用意しているので気になった人は使ってみてください。
1987年以降くらいなら1ドル80円から140円くらいで推移しているので、わりと参考にできるかもしれません。

補足その6、通常はFIREシミュレーションはポートフォリオに債権を含めることが多い。

今回はS&P500の株式100%のポートフォリオの値動きで検証していますけど、一番有名なFIREシミュレーション「トリニティスタディ」を始めとして一般的にはポートフォリオに債券を含める場合が多いです。
債権投資の旨味があった過去40年の歴史が今後も続くのか個人的にはちょっと懐疑的に思ってるので、現在の動画主のポートフォリオはほとんどが株式になってます。
ただFIREの成功率を上げるために株式と相関が低そうな試算をポートフォリオに組み込むのは良いと思います。

補足その7、このシミュレーションは取り崩し時の税金を考慮してない。

税金はその時に発生してる運用試算のリターンがどのくらいかで変わります。
何十年も投資をしていて全く売却してなければ元本の3倍、4倍になってるかもしれませんし、FIRE直前に投資を始めたり商品を入れ替えたなら大してリターンが出てないはずです。
人によって違うしシミュレーションに組み込むのも難しかったので採用しませんでした。
税金も加味したい人は例えば支出を10%多めに入力するとか調整すると良いです。

以上の補足も踏まえた上でサイドFIRE後のお金に不安がある人は、良かったらこのシュミレーションシートを使ってみてください。

サイドFIRE後の大暴落を検証【ITバブル&リーマンショック】雑感

無事に資産を保てたケースもありまするが、危なっかしい振れ幅ですね。
実際にセミリタイアした後、資産の下落にどこまで気持ちが耐えられるのか、さすがに不安でたまりません。
現実的な回避方法としては「債権をポートフォリオに組み込んでリスク回避」「不況時に労働収入で凌ぐ」「株価がいつかv字回復するのを信じる」辺りが現実的でしょうね。

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コメント

  1. きつ より:

    世界恐慌は株価1/10だから即詰みだわな。詰まなくてもすぐに戦地に赴いてるだろうから意味ないだろうけど

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